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年始の仕事

昨年の今頃、非常に苦しみながら大量のマーケティングに関するビジネス書の英日翻訳をしました。翻訳といっても名前が出るわけではなく、出版社が最終的に編集・校閲するものなので、「下訳」みたいなものかな。

そして今、同じ著者(というか一種のプロジェクトチーム?)による、マーケティングに成功するためのハウツーみたいな本の翻訳校正を請け負っています。
去年のは、マーケティングに関する数日間にわたるセミナーを録音したものを音声起こしした原稿があり、それを訳すというものだったのですが、ものすごく大量で、しかも音声起こしが決して正確ではなく、時にはまるで逆のことを書いてあったり、音声がクリアでないところはそのまま抜かしてあったりするので、音声データも聞いて確かめながら訳さねばならず、非常に苦しい仕事でした。結局何度も納期の延長をお願いしたりして、翻訳会社にはずいぶんご迷惑をかけてしまったものです。正直、「この会社にはもう干されただろうな…次は無いな」と思っていました。

それがまた昨年末に同じ会社から仕事の打診が来たもので、嬉しく思っていたのですが…最初は翻訳の打診だったのに、結局「翻訳でなくて校正をしてほしい」と。「二人の翻訳者に同時並行で作業させて、それをまとめるというやりかたをクライアントである出版社が求めている、ついては、昨年同じような案件を翻訳した経験のある人に校正をしてほしい」というのが翻訳会社の担当さんのおっしゃることなのですが、私だって一回経験しただけだし、正直、この原作者の唱える理論に通じているわけでもないし、なにより二人の異なる翻訳者の原稿を並行してチェックして、訳語の統一を計るとかいう作業、やったことがありません。それに校正だとぐっとギャラが低くなるし・・・と少々がっかりもしたのです。

いざ原著を見てみると、決して複雑な言い回しや隠喩などがあるわけではないものの、業界独特の用語や、現地の人でなければわからないようなエピソードが満載で、沢山調べ物をしなければとても訳せない内容(もちろん何の翻訳をするにせよ、調べ物の量が膨大なのは当たり前ではあるけれど・・・)。校正するのも原文を読まなければならないのだからもちろん大変は大変ですが、今回は校正担当で良かった。この仕事に翻訳者として取りかかっていたら、他の翻訳の勉強なんてとても同時にできなさそうです。

1月は、翻訳勉強会の「合宿」があるし、聴講している翻訳講座の今年度最後の授業もあるので、お金にならないことではあるけれど、やっぱり勉強の方を優先したい気持。
今年は大晦日からずっと、毎日何かしら仕事をしています。この調子で、自分の勉強にもなるような仕事が絶えないと良いな…。

by oliva16 | 2013-01-05 01:17 | しごと