指揮者の仕事

仕事の資料として、「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」(中野雄著/文春文庫)を読んでいる。

第2章「フルトヴェングラーの指揮棒」より。

フルトヴェングラーは自らの指揮棒の動きを説明してこう語っていたらしい。

「決定的な要素は、識者がこの強拍=力点にそなえるこころ構えである。いかに強調しても強調し足りないことは、オーケストラが発する音に働きかける要素が拍打ち自体のうちにはなく、強拍を打つ動作の準備段階に宿されているということである。」

また、ある日本人指揮者が彼の指揮について語ったというこういう言葉が紹介されている。

「指揮棒で力点(プンクト)を打つ―つまり合図をしてしまったら、オーケストラは音を出してしまう。音が出てしまったら、もうどうにもならない。『どういう音を出させるか』という、準備段階における指揮者の意思が大切なんですね。」

読んでいてふいに、習字を思い出してしまった。筆が紙に触れて、墨がついてしまったらもうどうにもならない、なんて思って。
臨書の際に、どうしてもお手本とにらめっこで「このへんで筆に圧力をかけて、ここで曲がって…、筆を上げて」なんてことばかりにとらわれて、自分が紙の上に映そうとしている全体像が見えていない。腕が筆に圧をかける動作の準備段階の意思をまず脳?がしっかり持って、それを腕に合図しないといけないのかな、、なんて考えた。そのためにはどうすればいいのだろう。お手本をとにかく何度も見ること?

…どうも無理やり習字に引き寄せて読んでいる気もするが。仕事が落ち着いたら、ゆっくり考えてみようっと。

なんて、芸術の秋、学問の秋?!
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by oliva16 | 2011-09-07 11:53